成長力 株高の先にある低成長社会 「脱炭素」にかじを切れるか=河野龍太郎
ついにニューヨークダウが3万ドルを突破した。有効なワクチンの早期普及の期待が高まる中、遅れていた米国の政権移行プロセスも開始され2021年のグローバル経済に対する楽観が広がる。ただ、筆者は回復が始まっても、先進各国の潜在成長率の低下傾向は変わらず、「低成長、低インフレ、ゼロ金利、膨張する公的債務」のジャパニフィケーション(日本化)が定着するリスクは排除できないと考える。
鍵となるのは、米国を中心とする世界的な株高の意味するところだ。必ずしも実体経済が好循環に向かうことを示唆していない。米国を中心にイノベーションが続いても、果実はアイデアや資本の出し手に集中し、平均的労働者の所得増は期待できない。コロナ危機後も、消費性向の低い富裕層の所得ばかりが増え、貯蓄と投資のバランスを崩し、経済を均衡させる自然利子率は低迷する。米連邦準備制度理事会(FRB)がゼロ金利を続けて…
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週刊エコノミスト
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