クローズアップ2 ESG債 6年で発行額は10倍超 環境で覇権狙うEU=香月康伸/伊井幸恵
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コロナ禍をへて、環境や社会問題などに資金の使途を限定した債券「ESG債券」の発行額が急増している。2020年は11月末時点で5000億ドル(約52兆円)と、既に19年の約1・5倍に膨らんでいる(図)。
広がるグリーン国債
ESG債は主に、資金の用途を再生可能エネルギーなど環境関連事業に限定する「グリーンボンド(環境債)」、社会問題に使う「ソーシャルボンド(社会貢献債)」、その両面を含む「サステナビリティーボンド」の3種類に大別される。国際資本市場協会(ICMA)が環境債を認定する際の原則を策定した14年以降、ESG債は環境債がけん引する形で発行額が伸び、10倍超にまで膨張。累計の発行残高は約1・2兆ドル(約130兆円)に達した。
注目されるのは国が発行する環境債「グリーン国債」の広がりと、急拡大するESG債市場の主導権を握ろうとする欧州連合(EU)の動きだ。
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週刊エコノミスト
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