国際・政治世界経済総予測 2021

クローズアップ3 米政策 動き出す「グリーン戦略」 2兆ドル投資が一部実現へ=上野貴弘

充電スタンドの整備などEVの普及は大きく進む(Bloomberg)
充電スタンドの整備などEVの普及は大きく進む(Bloomberg)

 2050年までに脱炭素化を実現することを目指し、バイデン次期大統領は今後4年間でインフラ再建とクリーンエネルギー分野に2兆ドルを投資する計画を公約した。

 政府予算は議会の発言力が強いため、共和党が上院の多数派を握れば民主党の思惑通りの予算を確保するのは困難となるが、その中でも実施可能な取り組みは多い(表)。それは、大統領と省庁の権限だけで実施できる施策や、議会で超党派の合意を得られる取り組みがあるからだ。

 真っ先に手を付けるのは「自動車の電化」だろう。バイデン氏は就任当日に乗用車の電化を進めるための新たな燃費規制に関する大統領令に署名すると公約しており、担当省庁は速やかに規制策定に着手する。また、トランプ政権が否定したカリフォルニア州による独自のゼロ排出車基準を再認可して、同州のニューサム知事が掲げる35年までに新車販売を排ガスゼロ車のみとする規制構想を後押しする。

残り888文字(全文1277文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

5月14日・21日合併号

ストップ!人口半減16 「自立持続可能」は全国65自治体 個性伸ばす「開成町」「忍野村」■荒木涼子/村田晋一郎19 地方の活路 カギは「多極集住」と高品質観光業 「よそ者・若者・ばか者」を生かせ■冨山和彦20 「人口減」のウソを斬る 地方消失の真因は若年女性の流出■天野馨南子25 労働力不足 203 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事