半導体の覇権 中国が“国産化”で明暗 国営はピンチ、民間は自立へ=渡邉真理子
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現在のイノベーション(技術革新)の核心はデジタル化であり、それを物理的に支えるのが半導体である。この技術の主導権は現在、米国企業が握っている。さらには、米シリコンバレーの半導体産業は、中国の半導体産業とのバリューチェーン(価値の連鎖)を構築し、産業支援も続けてきた。いわば、中国の半導体やハイテク産業の「育ての親」の側面があった。民主党のオバマ政権下では、鉄鋼・アルミ産業の過剰生産能力やインターネット接続の制限を問題視しても、中国の半導体産業を敵視することはなかった。
実際、半導体を巡る技術は、米中の協業の上に成り立っている。米半導体大手クアルコムの主な収入源は、中国の無数のスマートフォンブランドへの設計支援と半導体の供給である。
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週刊エコノミスト
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