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米株式市場は金融相場から業績相場へ=渡辺浩志

 新型コロナウイルス禍でも、米国の主要株価指数は軒並み史上最高値圏にある。株価は1株当たり利益(EPS)と株価収益率(PER)からなるが、現在はEPSの回復が途半ばであるのに対し、PERが歴史的高水準にある。

 一般に、景気後退期に金融緩和で実質金利が下がり、PER主導で株高となることを「金融相場」と呼ぶ。一方、景気回復期にEPSが増加して起こる株高を「業績相場」と言う。

 コロナ禍以降は、政府が財政出動を行い、米連邦準備制度理事会(FRB)が増発された国債を買い取ることで、金利上昇を抑えてきた。最近の株高は、こうした財政ファイナンスによる実質金利の低下がPERを押し上げたことによるものであり、典型的な金融相場といえる(図1)。

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