日銀の金融政策見直しのヒント=愛宕伸康
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日本銀行は昨年12月の金融政策決定会合(MPM)で、新型コロナウイルスの資金繰り支援特別プログラムの期限延長を決めるとともに、金融政策運営の見直しを検討すると発表した。結果は3月に発表される。
10月のMPMの「金融政策決定会合における主な意見」にヒントがある。まず上場投資信託(ETF)の買い入れだ(図1)。「真に必要なタイミングで買い入れが困難にならないように政策の持続力を高める工夫の余地を探るべき」との意見が出ていた。現行の声明文では「年間約12兆円に相当する残高増加ペースを上限に、積極的な買い入れを行う」としているが、株価上昇時には買わなくてすむよう、柔軟にする可能性が高い。
また、別の意見では「無担保コール翌日物金利の上昇圧力がいくぶん高まっているが、他の中央銀行が緩和姿勢を強める中、本行の緩和姿勢が後退しているといった誤ったメッセージと市場に受け取られないよう……」といったものもあった。現在のマイナス金利政策は、金融機関が日銀に預けている当座預金のうち超過準備の一部(「マイナス金利適用残高」)にマイナス0・1%を課し、無担保コール翌日物金利(コールレート)をマイナ…
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週刊エコノミスト
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