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経済・企業 エコノミストリポート

電力再編の引き金 大手電力の「格付け」低下 脱炭素・原発で増える債務=廣瀬和貞

送配電事業では、再生可能エネルギーの大量導入に伴う容量の拡大が必要だ (Bloomberg)
送配電事業では、再生可能エネルギーの大量導入に伴う容量の拡大が必要だ (Bloomberg)

 日本の大手電力10社における2020年の社債発行状況を見ると、発行件数は10社合計で56件、発行額は1兆950億円と、19年の67件、1兆3150億円と比べていずれも減少した(1月18日時点)。ブルームバーグの集計では、電力債の発行件数と額は、東日本大震災が起きた11年以降、19年まで増加基調にあったが、20年はいずれも前年比約2割も減った。

米格付け大手ムーディーズは20年3月、北海道電力、北陸電力、中国電力に対する格付けを、投資適格等級の中で最も低い「BBB」のカテゴリーにまで格下げした。すぐ下の「BB」からは投機的等級(ジャンク債)と呼ばれる水準である(図)。北海道電力と北陸電力は格下げ後、格付け取得を取り下げる事態となった。

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