データ通信需要で飛躍するNANDフラッシュ=津村明宏/49
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半導体メモリーの一つであるNANDフラッシュメモリーは、電源を切ってもデータが消えない不揮発性を持つのが特徴で、パソコンのUSBメモリーやSDカード、電話番号や写真画像を保存するスマートフォンの内蔵メモリーに広く利用されている。そして半導体製造プロセスの進化に伴い、保存できるデータ容量の増大が年々進んでいる。小型で消費電力が小さく、データの書き込み/読み出しが速いという特徴から、近年ではパソコンの主記憶装置として主流だったハードディスクドライブ(HDD)を代替するソリッドステートドライブ(SSD)にも多用され、インターネット上の通信データを処理するデータセンターにも大量に使用されるようになった。
大手調査会社の米ガートナーの調べによると、2020年の世界半導体市場は約4500億ドルとなり、このうちメモリーは44%を占めた。NANDフラッシュは、パソコンやデータセンター向けの需要が好調だったこと、上期を中心に需要が堅調に伸びて価格が上昇したことなどにより、前年比24%増の528億ドルを記録し、半導体の中でもとりわけ大きく市場が拡大した。今後もデータ通信量は右肩上がりで伸びていくことが予想さ…
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週刊エコノミスト
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