電子デバイスの今 発光材料開発が進む有機ELディスプレー=津村明宏/50
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テレビやスマートフォン(スマホ)用の画面として普及が進んできた有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレー。これまでディスプレーの主役だった液晶と比べ、自発光であるためバックライトが不要で、薄く軽量にできることが特徴だ。米アップルが2020年に発売したスマホ「iPhone」新モデルすべてに有機ELを採用したことで、特にスマホでは今後、有機ELの搭載比率が上昇していくと予想されている。調査会社OMDIAの予測では、スマホの有機EL搭載率は20年の約26%から24年には約40%にまで高まる見通しだ。
この有機ELディスプレーの性能を左右するのが、自発光を支える有機EL発光材料である。「有機EL」の名が示す通り、この発光材料とは「電気を流すと光を放つ有機化合物」であり、光の三原色を構成する赤色、緑色、青色の発光材料がディスプレーには必要である。この発光材料の発光効率、すなわち少ない電気で明るく光る材料が実現できれば、有機ELディスプレーを今よりさらに省エネ化することができるのだ。
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週刊エコノミスト
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