スマホの進化で飛躍するイメージセンサー=津村明宏/48
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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が、半導体業界にとっては図らずも追い風となり、旺盛な需要が継続している。巣ごもり消費によってテレビやゲーム機の需要が伸び、おうち時間やリモートワーク、遠隔教育の増加でパソコンやタブレットの購入も増えた。これらによって、通信インフラを支える機器やデータセンターへの投資も増加していることに加え、新常態が求める「非接触」の実現には半導体をコアとするIT技術が欠かせないためだ。こうした半導体のなかで、「電子の目」と呼ばれるCMOSイメージセンサーは事業環境が目まぐるしく変わったデバイスの一つかもしれない。
イメージセンサーは光を電気信号に変換する半導体(撮像素子)であり、電子の目という別名のとおり、主に写真や動画の撮影に使われる。なかでも、最も大きな用途はスマートフォン(スマホ)だ。近年は、スマホメーカー各社がカメラ性能を競うかたちで新製品を相次いで投入するケースが増え、イメージセンサーにはさらなる画質の向上に向けて高画素化や素子の大判化が求められてきた。
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週刊エコノミスト
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