新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

マーケット・金融 独眼経眼

米長期金利は年末にかけ1・3%へ=渡辺浩志

 米国の長期金利(10年国債利回り)が上昇している。金利は景気を映す鏡であり、景気の良しあしが金利水準を決める。だが新型コロナウイルス禍以降、金融緩和で金利を低く抑えることが景気や株価の回復を促している。故に、いま金利が大きく上昇すれば、景気回復は頓挫し株価も下落しよう。

 では、米連邦準備制度理事会(FRB)は、どの程度の金利水準を適切と考えるのか。金融緩和の本質は、実質金利を自然利子率よりも低く抑えることにある。自然利子率とは景気への影響が緩和的でも引き締め的でもない、景気に中立的な利子率のことだ。実質金利は名目金利から期待インフレ率(人々が予想する将来のインフレ率)を差し引いたもので、実質金利を自然利子率より低く抑えれば、投資や消費が刺激され、景気や物価を押し上げる。

 自然利子率と実質金利は、つかず離れずの関係にある(図1)。だが、金融緩和によって、実質金利は大きく押し下げられる。

残り684文字(全文1082文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事