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マネーが滞留すれば成長率が下振れる=愛宕伸康

 1月26日に国際通貨基金(IMF)の世界経済見通しが改訂され、米国の2021年実質GDP成長率が前回見通し(20年10月)から2%上振れ、5・1%となった。米議会予算局(CBO)も2月2日に新しい見通しを発表し、成長率を4・6%とした。

 昨年12月の新型コロナウイルス対策が成長率を押し上げた格好だが、バイデン大統領率いる新政権でも1・9兆ドル(約200兆円)の追加対策をもくろむ。共和党の抵抗で満額実施が難しくても、更に成長率見通しを押し上げるだろう。市場では追加対策込みで6%台を予想する声が多いが、実際には昨年12月分を含め対策効果の不確実性は高い。

 現金給付などの対策が打たれても、コロナ禍で人の移動が制限されれば、その多くが貯蓄として積み上がるだけで、期待された消費押し上げ効果は得られない。政策効果の大きさは、ワクチン接種の進捗(しんちょく)などによってどれだけ通常の消費活動が戻るかにかかっている。戻れば相当高い成長率になるのは間違いないが、戻らなければ大きく下振れる可能性もある。

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