倒産 手厚い支援で30年ぶり低水準 今後、過剰債務で「息切れ」続出=友田信男
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新型コロナウイルスの国内初感染から1年。事態は収束するどころか、1月7日に政府が再発令した緊急事態宣言は、栃木県を除き10都府県で期限が延長された。
新型コロナ関連倒産の第1号は昨年2月、愛知県で中国人観光客を受け入れていた旅館が破産を申請した。訪日外国人観光客が途絶え、インバウンド需要の消失が直撃した。コロナ禍で「新しい生活様式」が生まれ、人の移動も制限され、3密回避など異質な「日常」が企業環境に変化をもたらした。
東京商工リサーチがまとめた2020年の企業倒産(負債1000万円以上)は7773件(前年比7・2%減)と減少し、30年ぶりに8000件を下回った(図1)。過去50年間でもバブル期の1989年(7234件)に次ぐ4番目の低水準だった。上場企業の倒産は、コロナ禍がとどめを刺したレナウンとNutsの2社にとどまり、倒産企業の76・2%を負債1億円未満の小・零細企業が占めた。
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週刊エコノミスト
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