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週刊エコノミスト Online 学者が斬る・視点争点

50%円安でも届かぬ物価目標=吉田裕司

望みはコロナ後への「期待」

 各国で新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、日本でも春先には開始されそうな展開だ。これを踏まえ、2021年度の日本経済や世界経済は、どのように予測するべきなのか。この「予測」とは、経済学では人々の「将来への期待」を意味する。今回は、日本のインフレ率の予測、つまり「期待インフレ率」について、さまざまな視点で考えたい。

 現在の日本はデフレを含む長期の低インフレ下にある。日本銀行が金融政策として年率2%のインフレ率を目標とするインフレターゲティングを13年4月に掲げてから、8年近くが過ぎようとしているが、一度も目標を達成できていない。原因はどこにあるのか。

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