革新生む組織に見る「5%」の差=岩尾俊兵
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機動性に大規模な組織変更は不要
「企業の創造性」というものは、外から見ただけでは、その本質を知ることは難しい。一見すると似通った創造性を持つ企業同士でも、そこに大きな差があることも珍しくはない。
カギとなるのは、組織の「機動力」である。機動力とは、情報の伝達やアイデアの共有のための人員の動きである。身近なところでは、オフィス内における、従業員同士のコミュニケーションの取り方がそうだ。単純な伝言ゲームでも、人員の動き方で差が出てくる。
例えば、5人のメンバーで伝言ゲームをする場合を考えてみよう。このとき、5人が縦に1列に並ぶ場合と、5人が円を作る場合を比較すると、縦1列の場合には端っこから一番遠い人までは4回の伝言が必要だが、これが円環であれば両隣の人に伝えることで、一番遠い人までは2回の伝言で済む(図)。
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週刊エコノミスト
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