女性の就業促進が高齢男性の就業をも促すこれだけの理由=酒井正
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妻の就業が夫の就業継続を促進=酒井正
本年4月に改正高年齢者雇用安定法が施行され、企業に対して、従業員の70歳までの雇用確保が義務付けられた。この措置は努力義務とはいえ、「雇用確保」に業務委託や創業支援までをも含む点が新しい。2000年代以降に行われた同法の2度の改正と同様に、今回の改正にも、少子高齢化に伴う労働力の減少を補うという目的がある。
もっとも高齢者の就業率を上げることだけが目的ならば、企業に雇用を義務付けるばかりが手段とは限らない。高齢者の就業にブレーキをかけている要因としては、労働供給側の「家族」に関係する事情も大きい。典型的なのが「介護離職」である。離職理由として「家族の介護」を挙げる者の割合は50〜60代で最も高く、同居家族に要介護者がいると就業率が7〜10%程度下がるとする推計結果もある。介護離職へ対処することは、高…
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週刊エコノミスト
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