一筋縄ではいかない二酸化炭素の回収・貯留=塚田邦治
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脱炭素 温室効果ガス実質ゼロへ 欧米で優遇税制が奏功 CO2回収・利用・貯蔵=塚田邦治
世界中で「カーボンニュートラル」への取り組みが加速する中、CCS(二酸化炭素の回収・貯留)、CCUS(二酸化炭素の回収・利用・貯留)への関心が高まっている。「カーボンニュートラル」とは、二酸化炭素(CO2)を主体とした温室効果ガスについて、排出分と同量を「除去」することで、差し引きゼロにすることである。この手段として、既に関連技術が確立された、最も効果的な方法がCCSである。
「CCS」とは、発電所や化学工場などで排出されたガスからCO2を分離し、地中深くに圧入・貯留することだ。CCSに、CO2を利用する過程を加えたものが「CCUS」だ。CCSやCCUSは、次世代燃料として注目が集まる水素の生産過程でも重要性が増しそうだ。というのは、中期的に、水素はコストの事情から天然ガスから取り出す生産法が主力になるからだ。生産過程で副産物として出るCO2を回収し地下貯留することで「…
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週刊エコノミスト
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