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週刊エコノミスト Online 学者が斬る・視点争点

ガーナを「パイナップル王国」から転落させた〝黒船〟の正体とは=鈴木綾

新品種に振り回される途上国農家=鈴木綾

 りんごやぶどうに種類がたくさんあるように、南国で栽培されるパイナップルやバナナにも多くの品種が存在する。バナナは300種類、パイナップルも200種以上存在するといわれるが、市場に出回り食されているのはどちらも数種類のみ。その多くが多国籍企業主導の大規模農園で作られている。消費者からはあまり見えないが、市場で扱われるパイナップルの品種が2000年代前後に大きく入れ替わり、これが途上国の生産者に大打撃を与えた。

 パイナップル栽培には、年中高温多湿の環境が適している。日本が輸入するのは約95%がフィリピン産である。一方、ハワイや南米産は米国市場、アフリカ産はEU(欧州連合)市場と、伝統的には生産地と輸出市場には地理的なすみ分けがあった。

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