同調圧力がファシズムに戦時日本と現代の類似点=井上寿一(歴史書の棚)
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コロナ禍下の日本は戦時中を想起させる。今と当時の間には具体的にどのような類似点があるのか。大塚英志『「暮し」のファシズム』(筑摩選書、1980円)が手がかりを与える。著者は「国民皆マスク」に違和感を抱く。戦時下のガスマスクを連想させて、同調圧力の重苦しさが類似しているからである。
ここから戦時中の日本が再考される。1940年前後の近衛文麿内閣による「新生活体制」は日常生活の「ファシズム」化だった。今日の日本における「新しい生活様式」と戦時下の「新生活体制」が重なる。
このような指摘は、従来の近衛新体制研究と比較すれば、そのユニークさが明らかとなる。
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