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日本の医薬品産業の創薬力向上には適切な薬価が必要だ=濱田一智

抗ガン剤「オプジーボ」は、需要拡大を理由に薬価が半額に下げられた
抗ガン剤「オプジーボ」は、需要拡大を理由に薬価が半額に下げられた

医薬品 厚労省ビジョン8年ぶり改定へ 医療費削減を押しつける現状では 医薬品産業の創薬…=濱田一智

医療費削減を押しつける現状では 医薬品産業の創薬力は高まらない

 厚生労働省は今夏、医薬品産業の将来像構想となる「医薬品産業ビジョン2021」を発表する。8年ぶりの改定で、コロナ禍で医療系産業への重要性が見直される中、どういった指針が示されるか、関係者の注目が集まる。規制産業である製薬業界にとって、厚労省の方針は命運を左右する重大事項であり、発表を前に日本製薬工業協会(製薬協)をはじめとする製薬関連団体は相次ぎ提言を出している。

 製薬協は2月に「政策提言2021」を、5月に「産業ビジョン2025」を発表した。内容は多岐にわたるが、その骨子は「製薬産業は重要である」「産業振興につながる薬価制度を」の2点に尽きる。1点目については多言を要しないだろう。現代社会で医療が、必要不可欠な分野であることは、コロナ禍が浮き彫りにした。2点目は、平たく言えば、製薬業界が新薬開発のインセンティブを高めるために、高い価格設定と価格の維持を求…

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