教養・歴史書評

子猫を拾い「ふたり旅」 ワルが善意を知る物語=孫崎享

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 一度、犬や猫を飼った者はその魅力に取りつかれる。私がディーン・ニコルソン著『ナラの世界へ』(K&Bパブリッシャーズ、1760円)を手にしたのも、表紙に可愛い子猫の写真があったからである。

 本の主人公は著者自身。スコットランド人で両腕にタトゥーが彫られ、あごひげがあり、酒に酔って乱暴をする、マリフアナを吸う。いわばワルと呼ばれる若者である。

 彼は友達と自転車での世界一周を企てるが、途中で友達が去り一人旅になる。そこへ山道で生後数カ月の子猫が必死に追いかけてくる。もうすぐ雪の降る季節である。拾い上げ、「ふたり旅」が始まる。猫を介してさまざまな人との出会いがある。

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