週刊エコノミスト Online闘論席

「遺伝子組換え蚊」を解き放つことは新たな駆除法となるか=池谷裕二

    撮影 望月亮一
    撮影 望月亮一

    池谷裕二の闘論席

     ヤブ蚊の季節が到来した。不快なかゆみを引き起こす、あの黒白ストライプのヤブ蚊はヒトスジシマカという種だ。ただの掻痒(そうよう)ならば我慢すればすむが、ヒトスジシマカは地域によってジカ熱、デング熱、チクングニア熱、黄熱病などといった病気を媒介するため、殺人蚊とも呼ばれる。虫よけ薬や防虫灯などで対策をしようにも、野生では個体数も多く、駆除は難しい。加えて、近年では、殺虫剤の多用により耐性のある蚊も増えた。そこで、いま注目される戦略が遺伝子組み換え蚊だ。

     遺伝子操作の対象はオス。このオスと交尾したメスが産む卵は幼虫致死となる。成虫になることができないため、次世代で全滅する。技術を開発したのは英国のオキシテック社だ。しかし、このバイオテクノロジー企業が、世間に受け入れられるためには長い時間を要した。ブラジルやパナマ、ケイマン諸島、マレーシアではすでに実地試験が行われており、一定の成果をあげていたが、米国内での導入にあたっては住民からの猛反発があった…

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