週刊エコノミスト Online編集後記

浜田健太郎/藤枝克治

編集部から

 本稿掲載時にはほぼ無観客で運営される東京五輪が始まっている。「プロ野球やJリーグは客を入れているのに」と反発も聞かれる。感染拡大防止の観点では集客イベントは中止すべきなのだろうが、経済には別の視点がある。必需品とそうでないものの扱いについてだ。

 需要があり市場が成立するからプロが活躍する。野球やサッカーだけでなく、音楽や映画、演劇なども同様だ。感染爆発の下でも必需品はいつまでも在庫で抱えることはできず、マーケットが再開を要求する。

 対して五輪はプロの市場が成立しない競技が束になり価値を上げる行事だ。故に国家の支援を必要とするし、見返りに国威発揚の材料にされやすい。

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