国際・政治ワールドウオッチ

ブラジル GDP上昇も、好転せぬ国民生活=美代賢志

ワクチン接種で回復の兆しは見えてくるのか 筆者撮影
ワクチン接種で回復の兆しは見えてくるのか 筆者撮影

 ブラジルで、2021年のGDP成長率が5%を超えるという予想が優勢になってきた。7月26日に中央銀行から発表された、金融機関を対象にした週間経済動向調査では、予想の平均が5・29%に達した。また、民間研究機関の消費者信頼感指数は、7月に前月比1・3ポイント上昇の82・2ポイントとなり、同指数が下降し始めた20年9月時の水準まで回復している。

 ただし、消費者の景況感は「生活は非常に厳しいがワクチン接種が進めば良くなる」と、コロナ疲れを反映したような内容だ。実際、政府機関が計測する2〜4月の3カ月間の失業率は14・7%で、過去最悪の状況が続く。農産物や鉄鉱石など1次産品の輸出国であるブラジルは、輸出品の相場高騰に引きずられる形で国内価格も高騰。政府の公式インフレ指数は、6月までの12カ月の累積が8・35%と年初の2倍近くになっている。

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