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教養・歴史 書評

フェイクニュース現象 科学的研究データで分析=荻上チキ

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 フェイクニュースに関する本を書くため、関連論文をまとめる作業をしている。僕が『ウェブ炎上』という本を書いた2007年は、SNS(交流サイト)上での炎上や流言についての量的データはまだ乏しかったこともあって、理論とケーススタディーの紹介が主だったが、今や数多くの研究によって、さまざまなデータが取られてきた。そんな研究群の中から、この論文は紹介しよう、この研究は扱った方がいいなと、参考論文リストを整理しているのだ。

 ひとしきり作業が終わった後、そうだせっかくなので類書を読もうと思い、『フェイクニュースを科学する』の文庫版(笹原和俊著、DOJIN文庫、990円)を入手した。実はこの本、単行本版を発売まもなく購入していたのだが、ドタバタしていたのか積ん読のまま未読に。それが今回文庫化され、コロナ禍でのフェイクニュースについても加筆されているとのことで、購入し直し読了。うへえ、と舌を巻いてしまった。

残り992文字(全文1397文字)

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