東京市場 油価の天井見えれば株高に弾み=三宅一弘
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世界的なインフレ、特に生産者物価急騰の行方が市場の焦点になっている。物価上昇の主因としては原油や天然ガスなど化石燃料系エネルギー価格の急騰、半導体不足による自動車の大幅減産を典型とする供給制約の波及に加え、新型コロナからの経済再開に伴うサービス価格などの上昇が挙げられる。
供給制約に関しては今後の改善が見込まれる。半導体のスポット価格はピークアウトの様相を示し、日系自動車メーカーは11月に減産前の生産水準に戻し、年末年始に挽回生産を始める計画などが象徴的な事例だ。夏場の混乱は、「チャイナプラスワン」として世界生産供給体制の中核を担うようになった東南アジア地域でコロナ感染・死亡者数が激増し、厳しい都市封鎖がとられ、工場停止に追い込まれた影響が大きかった。
9月以降は、制限措置の効果とワクチン接種の急進展からコロナ禍が沈静に向かい、半導体供給基地のマレーシアをはじめ主要各国とも経済再開が始まっている。
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週刊エコノミスト
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