教養・歴史書評

議論百出の「ローマ帝国滅亡」にあらたな視点を提出=本村凌二

歴史書の棚 シルクロードの視点から ローマ帝国の興亡を読む=本村凌二

 ギリシャ連合軍によるトロイア崩壊、アレクサンドロス大王によるペルセポリス炎上、ローマ軍によるカルタゴ壊滅、オスマン・トルコ軍によるコンスタンティノープル崩壊など、史上に名高い王国や帝国の終末がある。それに比べ、ローマ帝国の滅亡は派手なところがまったくない。

 それは、おそらく数百年にわたる歴史の変動のなかでの出来事だった。そのせいか、かえって、古来、「ローマ帝国はなぜ滅びたのか」が繰り返し問われてきた。ある学者の推測では、210種ものローマ帝国滅亡論があるという。出来事よりも議論の方が華々しいのかもしれない。

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