米国の強い住宅需要を支える30~40代年齢層。コロナ禍の給付金も後押しだ=清水憲人
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Lennar 給付金で高まる住宅建設需要=清水憲人/6
◆レナー
レナー・コープ(レナー)は1954年に米国フロリダ州マイアミで設立された住宅建設会社。80年代から90年代にかけて、フロリダ州内だけでなく、カリフォルニア州やテキサス州にも営業地域を拡大。2000年には同業のUSホーム・コープを買収し、ニュージャージー州、メリーランド州、バージニア州、ミネソタ州、コロラド州に進出した。
その後も不動産分野の買収を継続。17年には高級住宅を手掛けるWCIコミュニティーズ、18年には都市部を中心に事業を展開している業界大手のカルアトランティックを買収し、D・R・ホートンと並ぶ米国住宅建設業界の最大手の一つとなった。この業界は地域密着型の小規模な会社が多いが、レナーの営業地域は全米23州にわたり、年間売上高は200億ドル(約2・3兆円)を超えている。
自宅を快適に
売上高の93%は住宅の建設・販売。比較的安価なものから高級物件まで、また、バリアフリーを意識したシニア向け住居や2世帯住宅なども幅広く手掛け、年間約5万戸を販売している。それ以外に、住宅ローンなどの不動産購入に関わる各種金融事業(全売り上げの4%)や、賃貸の集合住宅事業(同3%)も行っている。
20年度は新型コロナウイルスの影響によりサプライチェーンが滞ったことから売上高は対前年でほとんど伸びなかった。労働者の感染や感染リスクを抑えるための仕事手順の変更、需要の増加などを受け工事が遅れた。また、行政手続きや一部資材の調達にも影響が出た。
しかしながら21年度の第1~3四半期(20年12月~21年8月)は、販売戸数・1件当たりの単価がともに上昇し、前年比19・4%という大幅な増収を記録している。もともと米国では、人口が多い「ミレニアル世代」(81~96年に生まれた人)が今後、世帯形成期と呼ばれる年齢(35~44歳)に突入して…
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週刊エコノミスト
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