中国史屈指の混沌時代 従来説覆し、活写=加藤徹
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中国史は統一期と分裂期の繰り返しだ。分裂期のうち、故事成語の宝庫である戦国時代や、『三国志』でおなじみの三国時代は、日本人にもわかりやすい。しょせんは漢人どうしの内戦であり、敵も味方も同じ価値観や常識を持っていた。
これに対して、5〜6世紀の南北朝時代は、日本人にはわかりにくい。当時、中国の北半分では遊牧民族が、南半分では漢人が王朝を建てた。両者は文化も価値観も異質だった。
北半分の「北朝」では北魏・東魏・西魏・北斉・北周の諸王朝が、南半分の「南朝」では宋・斉・梁・陳の諸王朝がめまぐるしく交代した。
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