週刊エコノミスト Online編集後記

桑子かつ代/市川明代

    編集部から

    「終(つい)の住み家」「実家のたたみ方」。ここ数年、家にまつわる話題はしょんぼりする雰囲気だった。さらにコロナ禍が追い打ちをかけた。不動産会社の知り合いからは失業した人がローン返済の見通しが立たなくなり自宅を売却する話を聞く。日本の平均給与は下落が続く。日本全体が厳しいのだから、自分も慎ましく日々暮らしていこう、と思っていた。

     そんな矢先、友人の女性が都内でマンションを購入したと聞き、軽い電気ショックを受けたような気分になった。数年前に夫と離婚し、近隣県で2人の子供と一軒家で暮らしていた。子供が社会人になり家から離れ、自分も薬剤師としての仕事に自信がついてきたことで、都内で新しい生活に踏み切った。50代後半で住宅ローンを組み、自分が働いて返済する。友人が私の肩をポンとたたいてさっそうと駆け抜けていった気がした。

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