インフラ投資で成長を続ける米建機レンタルのユナイテッド・レンタルズの秘密=岩田太郎
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ユナイテッド・レンタルズ インフラ投資で成長持続=岩田太郎/8
◆United Rentals
ユナイテッド・レンタルズは建機レンタルで世界最大手の米国企業だ。堅調な成長を続ける米経済や連邦政府の大規模なインフラ投資を背景に急成長を続けている。1997年の創業以来、同業相手の買収や合併を続け事業規模を拡大している。
2010年12月期~20年12月期の売上高の年間成長率は14・3%、EBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)は同19%、1株当たり当期純利益は同48・7%の伸びを示している。新型コロナウイルス禍からの経済再開を受け、今年10月に21年12月期の業績予想を上方修正し、売上高を従来予想の94・5億~97・5億ドルから96億~97・5億ドルに上方修正した。
21年9月末で全米で1278拠点を運営し、州別ではテキサス州が161支店と最大で、カリフォルニア州113支店、フロリダ州73支店、ルイジアナ州51支店、ジョージア州47支店と続く。テキサスやカリフォルニア、フロリダなど南部諸州は米国内で人口増加率が高く将来性への期待も高い。
成長の秘訣(ひけつ)は、建設会社の経費節約ニーズにマッチしたビジネス展開だ。建設企業にとり建機を自社保有するよりも、レンタルした方がコストを抑制できる。さらにメンテナンスや保管もユナイテッド・レンタルズに任せることで利便性が高まる。同社の空気圧縮機、発電機、フォークリフト、工事現場向け照明器具、空調設備、高圧洗浄機、測量機、溶接機、トラクターなどの保有建機数は21年7~9月期に約77万台、米国内の建機レンタル市場シェアは13%と首位だ。
ユナイテッド・レンタルズの20年12月期の顧客内訳は、約半分の49%が道路、橋脚、港湾、空港など非住宅建設企業、46%が化学、石油、ガス、電力、製造業など産業向け、そして残り5%が集合住宅建設企業であ…
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週刊エコノミスト
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