週刊エコノミスト Online闘論席

ヒトよりイヌのほうが臭いに敏感というのは誤りだ=池谷裕二

撮影 中村琢磨
撮影 中村琢磨

池谷裕二の闘論席

 嗅覚の鋭い動物といえば、イヌを思い浮かべる方が多いだろう。警察犬や麻薬探知犬として活躍している。一説にはヒトの1億倍ともいわれる嗅覚を誇る。

 しかし脳の研究を続けている私には不思議でならない。イヌもヒトも鼻の上皮細胞にある嗅覚センサーは同じタイプのものだ。なぜイヌは1億倍もの濃度の分子を感知できるのだろうか。

 イヌの嗅覚の鋭さは、フランスの解剖学者ブローカが1879年に著した記述が無批判に伝承された都市伝説とされる。2017年、米ラトガース大学のマクガン博士はイヌの嗅覚について再検証した。その結果は予想通り。ヒトとイヌはにおいの感度は同程度だった。嗅ぎ分けの得手なにおいの種類に若干の差はあるが、イヌのほうが敏感だとするのは誤りだ。

残り481文字(全文809文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

10月4日号

新制度スタート! マンション管理必勝法14 動き出した二つの評価制度 住人の意識改革が始まった ■荒木 涼子/白鳥 達哉18 よく分かる「評価制度」 高得点獲得のポイント ■荒木 涼子20 国の制度もスタート 自治体が優良管理を「認定」 ■白鳥 達哉23 迫る「第三の老い」 ここまで深刻な管理員不足 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事