週刊エコノミスト Online闘論席

TSMCの日本進出でみえた外交政策と産業政策のミスマッチ=古賀茂明

    撮影 ZUMA=共同
    撮影 ZUMA=共同

    古賀茂明の闘論席

     最近、TSMCの4文字を頻繁に目にする。台湾の半導体メーカー「台湾積体電路製造」だ。半導体の受託生産で世界の過半を占め、技術レベルでも世界最先端を行く。同社が熊本に新工場を作るというので、岸田文雄首相や経済産業省は大はしゃぎだ。国家の盛衰を決めるとも言われる半導体分野で、「世界一」のメーカーが日本に進出するのだから、当然の反応のようにも思える。

     しかし、日本の半導体産業は1990年ごろには世界生産の過半を占め、技術水準でも世界最高だった。トップ10に日本企業6社という当時と比べると、今回のニュースは、日本沈没の証しでしかない。悲しい気持ちが先に立つ。よく聞けば、最先端品を使う企業が日本にはないからと、10年以上遅れた三級品の工場しか作らないそうだ。日本政府が4000億円もの補助金を出すのになぜそんなことになるのか不思議に思う人も多いだろ…

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