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週刊エコノミスト Online 闘論席

ぬるま湯では競争も生まれない 発想の転換が必要だ=片山杜秀

撮影 中島章隆
撮影 中島章隆

片山杜秀の闘論席

 黒田東彦日銀総裁が誕生して以来、日本はどんどんお金を刷っている。そうすると景気が良くなるという。

 どんな理屈か。ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンと米シカゴ大で共に学んだ経済学者、西山千明はかつてこう説明した。

 お金は人間の欲望をかたちにする。欲望はあっても、それに見合ったお金がないと、欲望は満たされることなく、痩せて枯れてしまう。そうならないように市中に貨幣を過剰なくらい供給する。すると欲望は天真らんまんに振る舞いやすくなる。具体的には事業者がお金をたくさん借りられる。経済活動は活発化するだろう。

 しかし、この話の前提は、大企業から中小企業まで、前向きのギラギラした欲望がみなぎり、しかもその事業に見込みがあるときに限られる。そうでなければ誰もお金を貸さない。

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