増加するフリーな働き方。クラウドソーシング大手のアップワーク=清水憲人
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アップワーク 増加するフリーな働き方/12
◆Upwork
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、「密を避けるために出勤日や時間をずらす」「オフィスに出社せずに在宅で勤務する」「打ち合わせをウェブ会議で行う」など、多くの企業が勤務体系の見直しを行った。
もちろん業種・職種によるばらつきはある。医療、介護、小売り、飲食、物流、交通、観光、建設、製造などの分野では現場に出向かなければ対応できない業務も多い。しかしオフィスワークについては、制度の見直しが進んだ。
取り組み姿勢には温度差があるが、これを機にテレワークの本格導入に踏み切る会社もある。「週3日はオフィス、週2日は在宅」のようにハイブリッド型の働き方を提唱し始めた経営者もいる。
労働者の生活スタイルにも変化の兆しが見える。テレワーク中心の職場の場合、オフィスの近くに住む必要性は低いため、大都市近郊から自然豊かな地方へと住居を移す人がいる。また出勤が不要となれば、特定の場所で仕事をする必然性もない。旅行をしながら短時間だけ仕事をする「ワ―ケーション」のような勤務スタイルも成立し得る。
働き方が変わってくると、雇用という概念が曖昧になってくる可能性もある。働く場所や時間の制約がなくなっていくとするならば、特定の企業に所属するのではなく、自分の得意分野を生かしていろいろなプロジェクトに関わるという選択肢も出てくるからだ。
専門家フリーランス
こうした潮流の中で今後注目が高まっていきそうなのが、企業とフリーランスをマッチングするクラウドソーシング。これは「群衆」を意味する「クラウド(crowd)」と「調達」を意味する「ソーシング(sourcing)」を組み合わせた造語で、インターネットを通じて不特定多数の人に業務委託することを意味している。アップワークはそうしたクラウドソーシング分野でトップを走っている米国企業である。
前身は19…
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週刊エコノミスト
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