教養・歴史書評

庶民は参詣や山岳信仰、公家は債権者同伴。 江戸の旅行あれこれ=今谷明

公家の旅は債権者同伴 江戸期の旅行あれこれ=今谷明

 コロナ禍の社会状況の下で、「三密」を避けるためと称して“GoToトラベル”の議論が喧(かまびす)しい。旅行に行きたい人々や、せめて近くの温泉でも、と思っている方は、ウズウズしておられよう。こんな時こそ、日本人がいつごろから娯楽で旅行ができるようになったのか、顧みることもあながち無駄ではあるまい。

 安藤優一郎著『江戸の旅行の裏事情 大名・将軍・庶民 それぞれのお楽しみ』(朝日新書、891円)は、一般庶民に旅行ブームが湧き起こったのは江戸時代の中期と規定した上で、その背景や観光地、大名や外国使節の旅行も含めて江戸の旅全般を論じた興味深い一般書である。

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