米国で高まる住宅購入意欲。若者からシニア、富裕層まで取り込むDRホートン=小田切尚登
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DRホートン 住宅需要で利益率がコロナ前超え=小田切尚登/16
◆D.R. Horton
DRホートンは米国の住宅建設の最大手企業で、1978年に現会長のドナルド・R・ホートンが米国テキサス州で創業した。その後、数件の同業企業買収を実施し、米国を代表する企業に成長した。米国の住宅建設業界の中では、地理的に最も広範囲な地域で営業活動を展開し、販売エリアは31州に広がる。
特に強いのがテキサス、フロリダを中心とした米国南部の東海岸から中央部にかけての地域で、売上高全体の過半を占める。米国の住宅建設業界の売上高では、レナー(本社フロリダ州)と同社が僅差で2大トップで、パルト・グループがレナーの売上高の半分程度の規模で3位につけている。
低価格から高額まで
DRホートンの売上高は住宅建設・販売がほとんど(96%)を占める。同社の事業戦略は土地を購入・開発することから、住宅を建設・販売するまでのプロセス全体をカバーする。販売する住宅の90%は家庭向けの一戸建てで、さらに集合住宅も取り扱っている。
DRホートンは2021年9月期に前年同期比25%増の年間8万1965戸の住宅を販売した。販売物件の過半数は30万ドル(約3420万円)以下の価格であり、比較的安価な住宅の割合が高い。
商品販売は四つのブランドで行っている。社名でもある「DRホートン」は中核ブランドで、売上高の68%を占める。次いで27%のシェアを持つのが「エクスプレス・ホームズ」で、住宅を初めて購入する若い顧客向けが対象だ。平均販売価格は28万2000ドルと安価だ。富裕層向けの高級住宅を扱う「エメラルド・ホームズ」は売上高全体の2%で、平均販売価格は55万6000ドルだ。「フリーダム・ホームズ」は年齢が高めの層向けに比較的安価な家を販売し、売上高の3%となっている。
コロナ禍で米国の住宅建設業界は絶好調であり、住宅価格は上昇を…
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週刊エコノミスト
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