中国で急成長の産業用ロボット、GMやアウディを顧客に持つ埃夫特の強み=富岡浩司
有料記事
埃夫特智能装備 GMやアウディも顧客の技術力/17
◆EFORT Intelligent Equipment
埃夫特智能装備(埃夫特)は、中国を代表する新興企業の一つで、国産ロボット業界でトップ10に入る大手企業だ。特に、ロボットの体部分や腕を前後上下に動かすことができる多関節6軸ロボットの生産販売では、2015年から国産ロボット企業でトップ3になっている。
埃夫特は07年に安徽省で設立、08年には初の自社開発ロボットを国内で販売した。その後、主にイタリアのロボット関連企業へのM&A(合併・買収)を繰り返すことで、技術革新と市場拡大を進めた。20年には中国のハイテク新興企業を対象とする上海科創板(スターボード)に上場した。
同社の主要業務は、(1)コントローラーやサーボ・モーターなど工業用ロボット向けコア部材の生産販売、(2)工業用ロボットの生産販売、(3)自動車や家具、金属加工などの産業に、溶接や搬送、テスト、塗装、つや出し・研磨、鋳造、組み立てなどを組み合わせた総合的システムの提供、に大別される。
海外向けが過半
主な顧客は国内外の大手自動車メーカーで、米ゼネラル・モーターズ(GM)や独アウディ、仏プジョー、中国の北京汽車や奇瑞汽車(チェリー)だ。さらに製造業では鉄道車両製造の中国中車や二輪・四輪向け自動車部品の伊ブレンボなど著名企業が多く、同社の技術力が世界で高く評価されていることが分かる。
同社の工業用ロボット事業の発展には、イタリアでのM&Aの成果が大きい。15年に塗装用ロボットのCMA、16年にはつや出し研磨や金属加工ソリューションを手掛けるEVOLUTを相次ぎ買収。17年にはコア部材であるコントローラーを開発するROBOXに出資したほか、自動車設備関連のW・F・Cグループも買収した。この結果、海外での存在感は中国ロボット業界の中では頭一つ抜けている。世界で19カ…
残り1464文字(全文2264文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める