和田肇/北條一浩
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編集部から
かつて児童演劇の劇団員をやっていたことがある。全国津々浦々の小学校を演劇巡業するのが仕事だったが、地方の小学校の生徒数がどんどん少なくなっているのが印象的だった。1年後に同じ地域を巡業すると、その小学校が統廃合でなくなってしまっていることも珍しくなかった。
最近は、大都市の小学校でも生徒数が減少しているという。私が居住する横浜市のとある地域の小学校は、各学年1クラスという状況だ。
劇団の巡業でもう一つ印象に残ったのは、「子どもはみんな同じ」ということだ。北海道名寄市の子どもも、東京都葛飾区柴又の子どもも、沖縄県の石垣島の子どもも、みな目を“まん丸く”して、食い入るように劇を見る。そんな彼らの瞳もこの先、見られなくなってしまうのかと思うと、何とも寂しい気がする。
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週刊エコノミスト
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