教養・歴史書評

自然崇拝や仏教の影響…… 神社は複雑な日本史を体現した建造物=今谷 明

仏教とは性格を異にする神社社殿の形成過程

 神社の建物(社殿)の沿革には謎が多い。現存する日本最古の社殿は一応、京都府の宇治上神社ということになっているが、時代は平安後期に属し、仏教寺院の古いものが飛鳥時代にさかのぼるのと比べると、とんでもない隔たりがある。

 新谷尚紀著『神社とは何か』(講談社現代新書、1100円)は、民俗学・神道学の碩学(せきがく)である著者が、日本人の複雑多岐な信仰の中から、いかにして社殿という構築物が形成されていったかを、総合的に考察して論じた画期的な書である。

 日本人は古来、巨岩や山峰など自然物を崇拝していた。それらの遺跡を「神体山(しんたいさん)」と称した時期もあったという。日光の男体山頂などは、明らかにそうした神体山の一つと考えられている。

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