欧州へ異例のLNG供給でエネルギー業界から不安の声が上がるワケは
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欧州へLNG異例の融通 電気料金上昇の懸念も
政府はロシアによるウクライナ侵攻に備え、液化天然ガス(LNG)の一部を欧州へ融通する「異例」の対応に踏み切った。もともとLNGのほぼ全量を輸入に頼る日本。さらに輸出を増やすことになれば、国内のエネルギー価格の上昇に拍車をかけるのは必至。業界からは「電気料金にどう跳ね返ってくるか心配」(大手電力幹部)と、前例のない支援策に対し不安視する声が上がる。
欧州の輸入天然ガスの4割以上がロシア産だ。緊迫するウクライナ情勢の行方次第では供給不足が懸念されている。政府は「欧米と歩調を合わせることが重要」(経済産業省幹部)として支援を決定。すでに日本のLNG船数隻が欧州に向かっており、3月から融通を本格化させる。ただ、LNGは日本にとっても火力発電や都市ガスの原料となる重要物資だ。
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週刊エコノミスト
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