教養・歴史書評

生命とは? 地球外にいる可能性は? 命の不思議を問うサイエンス=高部知子

生命体ってなに? 本当に地球にしかいない?

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 私は子供の頃から「妄想好き」で、特につらいことがあった時など、夜空を見上げいつまでも妄想にふけっていたことを思い出す。で、何を妄想していたかというと、小さく輝く星にも私と同じようにつらい想(おも)いを抱えた少女がいて、こっちを見上げている。私たちはお互い、同じように星を見上げているのだけど、その姿はあまりに小さくて絶対に目で見ることはできない。そう考えた時「そうかぁ。私は宇宙からは見えないほど小さいのか。ってことは、その私が抱えている悩みなんてどうでもいいくらい小さいなぁ」と感じることができて、なんだか少しホッとしていた。こんな経験からか私は「生命体が地球に存在する以上、宇宙にも絶対に生命体はいる!」と信じているところがある。だが、それが既に学問としてあるなんて、がぜん興味を惹(ひ)かれ読んでみた。

『地球外生命 アストロバイオロジーで探る生命の起源と未来』(小林憲正著、中公新書、990円)。

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