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豪州で驚きの取り組み始まる、天然ガスの副産物を“国民的飲料”に再利用=守屋太郎

パブの生ビールが環境ビジネスに一役買う日も近い 筆者撮影
パブの生ビールが環境ビジネスに一役買う日も近い 筆者撮影

豪州 ビールを使って脱炭素=守屋太郎

 天然ガスの精製工程で発生する二酸化炭素(CO2)を食品や飲料向けにリサイクルする取り組みが、2023年に始まる。手がけるのは、豪南部タスマニア島と豪州大陸の間にあるバス海峡の海底天然ガスプロジェクト。米石油・ガス大手エクソンモービル、英豪系資源大手BHPの合弁で、海洋プラットフォーム23基を操業し、豪東部のガス需要の約2割を供給する豪南部最大のガス開発事業だ。

 これまで副産物のCO2は大気中に放出していたが、仏産業ガス大手「エアリキード」が新たなガス精製プラントを同島北部に建設し、抽出したCO2を食料・飲料用に浄化して出荷する。豪州の資源プロジェクトでは炭素回収貯留(CCS)の例はあるが、産業用ガスへの転用はユニークな試みと評価されている。

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