ドイツで揺らぐメルケル元首相の評価=柿添紘光
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ドイツ 揺らぐメルケル氏の評価=柿添紘光
ロシアのウクライナへの侵攻を受け、ドイツでは大きな決定があった。一つが国防費の段階的な倍増計画の発表と他国への武器供与の容認だ。軍事に関して慎重だったドイツがロシアを脅威とし、積極的な安全保障の姿勢を打ち出したのである。そして、供給間近だったロシア産天然ガスをバルト海経由で直接ドイツに輸送するパイプライン「ノルド・ストリーム2」の凍結が決まった。
2018年から始まった同パイプラインの建設は、メルケル前首相が積極的に関わったとされる。国内発電において脱原発と脱石炭を進める政権にとっては、天然ガスの安定供給は再生可能エネルギーの開発とともにエネルギーを確保するうえで重点が置かれる政策だったのだ。しかし、ロシアのウクライナ侵攻が現実のものとなり、もともと米国や東欧諸国から批判されていた計画は凍結せざるを得なくなった。
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