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ノルウェーの最大手エネルギーのエクイノール、原油高で業績好調とロシア撤退の背景=小田切尚登

エクイノールのヨハン・スベルドルップ油田 Bloomberg
エクイノールのヨハン・スベルドルップ油田 Bloomberg

エクイノール 福祉国家を支える原油・ガス/29

 ◆Equinor

 エクイノールはノルウェー王国の国営エネルギー会社である。売上高、時価総額ともにノルウェーで最大の企業である。ノルウェー政府が同社株式の67%を保有している。エクイノールの株式時価総額は石油ガス業界では世界9位、欧州では英シェルに次いで2位である。

 1970年前後にノルウェーの領有する欧州の大陸棚で大きな油田・ガス田が相次いで発見されたのを受け、72年にその採鉱・開発・生産を行う会社としてスタトイルが創業された。2018年にエクイノールに改称された。

 ノルウェーはスカンジナビア半島の西岸に位置し、世界第2位の海岸線の長さを誇る。ノルウェーと英国の経済水域の境界線近くに存在する北海油田は世界でトップクラスの埋蔵量(推定130億バレル)を誇る油田ガス田である。ただ、北海油田は生産量が徐々に減少しており、ピークは過ぎたとされる。

 北海域内では10年に発見されたヨハン・スベルドルップ油田が今世紀最大の規模で、約30億バレルの原油が埋蔵されていると予測される。エクイノールは同油田に最大の権益(4割超)を保有する企業で、他に英石油大手BP(11%)や仏トタルエナジーズ(8%)も名を連ねている。

 ノルウェーの原油生産高は世界13位(日量170万バレル)で、確認埋蔵量では19位である。また天然ガス生産量は世界8位(年間1207億立方メートル)である。欧州では原油と天然ガスの埋蔵量と生産量で、ロシアに次いで第2位である。

最大ファンドの原資

 ノルウェーは世界で最も経済的に豊かな福祉国家の一つとして知られるが、それにはエクイノールが大きく貢献している。原油の売上高による収益の大半はノルウェー政府年金基金として積み立てられ、国際金融市場に投資されているためだ。同基金はこうした原資で国民の年金資産を運用しており、21年末時点の運用総額は12兆3400億クローネ(約172兆円)と政府系ファンド(SWF)では世界最大だ。

 エクイノールの21年12月期の売上高は909億ドル(約11兆4534億円)であった。その80%がノルウェーで、米国(14%)とデンマーク(5%)を加えた3カ国が売上高のほぼすべてを占める。商品別では石油とガスがほぼ半々の比率である。

 近年は再生エネルギーに力を入れている。50年までの二酸化炭素の排出ゼロを宣言しており、洋上風力発電を中心に業務を拡大してきているが、洋上風力発電はまだ赤字が続き黒字転換が課題となっている。

ロシアから撤退宣言

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