【週刊エコノミスト創刊100年キャンペーン実施中】いまなら週刊エコノミストオンラインをお申し込みから3カ月間無料でお読みいただけます!

週刊エコノミスト Online株式市場が注目!海外企業

路線変更で成功 米下着大手のビクトリアズ・シークレット

Victoria's Secret すべての女性の体に合う下着=岩田太郎/34 

 ビクトリアズ・シークレットは、米国の女性向けファッションのメーカーだ。下着を中心に香水や美容用品も取り扱っている。米国内で900店舗を運営し、世界70カ国でフランチャイズ方式などにより450店舗を運営している(2022年1月期現在)。

 創業は1977年。当初の主な顧客は男性で、妻やガールフレンドのための露出度の高い下着をカタログで販売するビジネスでスタートした。80年代に事業拡大のために顧客ターゲットを女性に変更した後も、高級なセクシー路線の下着で売り上げを伸ばした。

 95年からは、有名ファッションモデルのミランダ・カーなど、痩せ体型のスーパーモデルを「エンジェル」と呼んで出演させる下着ファッションショーを毎年開催。ショーでは宝石をちりばめた最高1500万ドル(約19.2億円)もする豪華絢爛(けんらん)なブラジャー「ファンタジーブラ」を披露した。

痩せ体型賛美に批判

 ところが、痩せ体型賛美やセクシー路線に対する価値観が2010年代の半ば以降、一転した。背景には女性への性的暴行やセクハラの訴えが米国を中心に相次いだことが挙げられる。また、多くの女性が美容広告が示す理想体型から外れるため、自己肯定感が低下、さらにダイエットで健康を損なうとして批判も高まった。

 一方、女性の間では、ゆったりとした着心地重視の下着へ乗り換えるトレンドが顕著になった。こうした状況を受け、売り上げは大幅に落ち込んだ。

 女性の嗜好(しこう)変化と売り上げ不振に対応するため、親会社のバス&ボディーワークス(旧Lブランズ)は20年から21年にかけて300近い不採算店を閉鎖した。21年8月にビクトリアズ・シークレットは分社化され、ニューヨーク証券取引所に上場した。

 当初の新生ビクトリアズ・シークレットの事業は、競合のアメリカン・イーグル・アウトフィッターズが14年に立ち上げた、外見や体型の多様性を肯定的に評価するボディー・ポジティブ志向の二匹目のドジョウに過ぎなかったが、徐々に独自事業を拡大した。

 まず矯正ワイヤーの入っていないスポーツブラなど、着心地の良い下着を販売した。また、授乳用や乳がん治療の乳房切除をした女性向けの特別なブラなど、すべての身体の人を対象に広げた。年齢層も広げて、22年4月には8~13歳の女性向けの初めてのブラや水着をオンライン販売でのみ行う新ブランドの「ハッピーネーション」を立ち上げた。女性が10代や20代から生涯を通して同社の製品を購入できるようにした。

セクシー路線は健在

 ただ、セクシー系を完全…

残り1160文字(全文2260文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら3ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月13日号

論争で学ぶ 景気・物価・ドル円14 バブルは別の顔でやって来る ■熊野 英生17 鳴らないアラート 「経済の体温計」を壊した罪と罰 ■中空 麻奈18 対論1 米国経済 景気後退入りの可能性高い ■宮嶋 貴之19  景気後退入りの可能性は低い ■高橋 尚太郎20 対論2 日銀 23年後半から24年前半 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事