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週刊エコノミスト Online 編集後記

梅田啓祐/秋本裕子

編集部から

 6月初旬、新型コロナウイルスに感染した。「無症状」だなんてとんでもない。連日39度の高熱に見舞われ、唾を飲み込むたび、喉に激痛が走った。何よりも周囲に感染を広げないかという不安が大きく、回復しても自宅で一定期間を待機するのはおっくうだった。

 隔離下の病床で脳裏をよぎったのは、甲信地方のある地域に伝わる「コレラ林」の伝承だ。かつてコレラが流行した時代にまん延を防ぐ目的で集落から患者を山林に追いやったという負の歴史。現地へ足しげく通い、地元の古老から口伝を聞き取った文筆家に案内され、周辺の開発から不自然に取り残された山林を目にした時、表には出にくい不都合な事実を調べ、記録することの意義を感じたものだ。

 現代社会はどうだろうか。情報の深層、裏の裏に迫るためには何をすればいいか。頭と体をフル回転してゆきたい。

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