週刊エコノミスト Online編集後記

浜田健太郎/大堀達也

編集部から

 ロシア極東サハリン島から輸入している液化天然ガス(LNG)が途絶するかもしれない。2大商社が出資する「サハリン2」からの輸入量は年間約600万トン。全量を輸入に依存するLNGの約8%分が不足した場合の深刻さを日本人はどの程度理解しているだろうか。

 ロシアによる「接収」は、日本が米欧に同調した対露制裁への報復だろう。だが、プーチン大統領を批難しても無意味だ。国際貿易は互恵関係で成り立つ。罰を与えた相手に、恵みを乞い願う姿は滑稽(こっけい)である。

 600万トン分の穴埋めは容易でない。欧州も対露制裁の反撃を受けて事態は日本以上に深刻だ。金融危機時のように中央銀行がマネーを大量増発してもガスは出てこない。

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