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週刊エコノミスト Online 編集後記

荒木涼子/秋本裕子

編集部から

「参院選が、終わったら」。ここ1年ほど、取材する度に研究者、政治家、企業の広報、官公庁の幹部たちから、合言葉のように耳にしたフレーズだ。今、“11年越しの大転換”として幕を開けそうな、原発の新増設と運転期間延長のことだ。

 原発政策の議論は脱原発か推進かの二分論にされがちだ。だが、現存するものをどう使うか、どのみち発生する「核のごみ」をどうするかなど、二分論で思考停止する前に、福島事故の現状も含めて11年間、私たち市民は向き合ってきただろうか。

 しばらく国政選挙はないとされる。選挙は政治に直接声を届けられる。だが政策議論に詳しい東京電機大の寿楽浩太教授は「民主主義の最大の武器は『声』。議論し続けることは大きな流れを作る」と話す。10年以上我が家に戻れない人がいる国で「選挙が終わったら、勝手に進めても誰も何も言わない」と思われていていいのか。

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