ウクライナ停戦を左右する軍事支援 注目は米国の動向 広瀬佳一
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膠着化した戦況を打開に導くには何が必要か。
支援めぐり欧州諸国に温度差 負担かさむ米国は選択肢狭まる
ロシア・ウクライナ戦争は、依然として停戦の行方が見えない。ウクライナのゼレンスキー政権は、最低でも2月24日の開戦前の状況への復帰を求めている。ウクライナ国民の間では、東部ドンバスやクリミア半島奪還を含めた2014年以前への復帰を求める声も増えるなど、停戦に向けたハードルはますます高くなっている。
停戦の可能性を探るときに、不可欠なのが北大西洋条約機構(NATO)加盟国の軍事援助だ。実は、この武器援助が圧倒的に多いのは米国で、今年1月から8月までに実施済みと実施予定の武器援助を合わせると135億ドルに及ぶと発表されている。これは21年度のウクライナ国防費全体の2倍以上にのぼっている。ウクライナ単独での停戦が現実的ではない状況において、戦況を大きく変える武器援助で、突出した支援を行う米国の動…
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週刊エコノミスト
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